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陸軍燃料廠

日中戦争以降、激化する戦闘に対し陸軍はこれまで考慮していなかった石油(主にガソリン)の供給を潤滑に行う為、急遽組織された。それがこの陸軍燃料廠である。 他の工廠との決定的な違いは自らでは何も作れない(原油が無ければ)という事であろうか。 彼らの主な任務は良質のガソリン及びその付加物質の精製にある。 本書によるならば、石油を持たない筈の日本が石油の精製技術を持つのもこの部隊によるところが大きいようである。 石油を求め、石油の為に戦った戦争は石油(の他に鉱物資源、基礎工業力の問題もあるが…)によって敗れ去ったのであろうか。 当時、世界有数のマレーシア油田の占領政策でも大いに活躍をしているが、問題となるのは日本への輸送手段であろうか。 多くの有能な技術者を集め、それを部隊内で管理していた(最前線へ出さなかった)お陰で戦後の石油繊維産業の発達にも繋がっていくと本書は纏める。

まあ、ぶっちゃけ戦争しちゃった時点で負けていた訳なんですけどね。 日本は。
本書はタイトルの通り組織的な編成を主としている為、自分のような技術書的なものを期待すると大いに落胆するので注意が必要である。しかし、面白いのは日中戦争前の満州国建国前後にソ連や関東軍が、中国の大慶油田のあたりを調査していたという事ですね。もし、戦争前に油田が発見出来ていれば日本は戦争をせずに済んだのか…

個人的にはどちらにせよ、当時の軍部による政権支配の日本では戦争は避けられなかったと思うのだけど。

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コメント

> まあ、ぶっちゃけ戦争しちゃった時点で負けていた訳なんですけどね。 日本は。
ってよく言われるし、今の価値観だとやっぱりそれが当たっているような気が俺もするんだけど、何で、当時は、戦争したんですかね。

当時の政権は政権で物事をちゃんと合理的に考えていたはずだと思うんだけど。ううむ。

やっぱり利権かな…
一部、合理的に考えていたとは思うけどそれはやはり日本独自のもので他国から見たら違うんじゃないかと。だから戦争になるんじゃないかと。当時の国々(今もか?)に他国の情勢を気遣う余裕なんて無いと思うし。

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