35歳までにやっておくべき大切なこと

宮崎伸治. 35歳までにやっておくべき大切なこと. 海竜社, 2005.
ISBN 4759308520 (Amazon)

数多く出版されている、いわゆる心理的な啓蒙書のうちのひとつ。

タイトルと中身に惹かれて買った。1項目につき3～4ページ程度割かれており、計62のアドバイスがある。他の啓蒙書も多分そうだと思うけれども、正直言って、何か奇抜なことが書いているわけではない。例えば、ひとつだけ取り上げると、

「できない」と思っているだけで、本当は「できること」はたくさんある

なんて、多分、誰もがうすうす気づいていたり、あるいは人に言われたりで、知っていることだろう。この項目に対して、著者は自らの翻訳家になるまでの経験と、英語がものすごくできるにもかかわらず通訳の仕事ができない言い訳を繰り返して通訳がしたいにもかかわらず結局高校の英語講師に留まっている知人の例を挙げて、簡単に解説している。

この本のいいところは、著者がここに挙げている62項目をできる限り実践して、その結果、今の地位（フリーの翻訳家）に付けて、かつ人生を頑張りつつ楽しんでいる、という点だろう。著者自らやっているので説得力がある。

それと、（この本に限らず啓蒙書はすべからずそうだが）いいところは、当たり前のことでも、読んでみて、ちゃんと意識できる、っていうことにあると思う。たとえば、繰り返しになるが、

「できない」と思っているだけで、本当は「できること」はたくさんある

なんて当たり前のこと。でも、普段、少なくとも俺は言い訳を自分に付けて、先送りにして結局やらないことが多い。この本を読むことで、少しでも、こういった教訓を自分に意識付けて、頑張って人生を生きていきたいと思う。

そのための本。

とりあえず、普段ならそのまま面倒くさがって寝るところを、今日頑張ってブログを書いてみた。ブログなんていつでもできることだけど、先送りすると結局付けないし、そのまま1週間、1か月と間違いなく放置されるけど、読んだおかげでちゃんと書いたわけだ。非常に小さなことだけど、この本、俺にとっては間違いなく効果があった。

(Last update: 2006/11/05 03:57:32)