宇井純

沖縄大学名誉教授の宇井純氏が11日に亡くなられた。74歳とか。

環境問題、特に公害問題を勉強している方なら誰でも知っているだろう。

今や高名な氏にお会いしたのは俺はわずかに2回しかない。大学時代のサークルの行事と、先輩の結婚披露宴と。サークルの行事での氏の話はまだ覚えている。その日は、サークル活動が大学に表彰されたことを祝うパーティーだった。宇井先生が環境問題に取り組み始めたときは、環境、それだけで左派、とみなされたらしい。非常な苦労をして、ずっと研究を続けてきたとか。東大で万年助手にとどめられたのは、新聞とかでも知っていたが、本当に非常に苦労をしたらしい。それが、今や、環境といえば、むしろ大学(宇井先生は体制側と言っていた)も積極的に推して、サークル活動も表彰するくらい。隔世の感がある、と。

ちょっと複雑な気持ち。本心を言うと、俺は体制とか反体制とか、そういう言葉は好きではないし、むやみに楯突く連中も好きではない。それに、もちろん善悪で語られがちの昔の環境問題と、ひとりひとりの市民が加害者でもある今の環境問題は違う。しかし、同じく東大で万年助手だった中西準子先生が当時の理念のまま、ずっと研究を続けていることを見ると、実は基本的な方向性は当時から変わらないのかも知れない。今の環境学は、彼らの努力が基礎になっていると言うことを忘れないでおきたい。

宇井先生の冥福をお祈りする。

(Last update: 2006/11/13 02:50:48)

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