Strategy to Achieve a Sustainable Closed-loop Economy in Asia
「サステナビリティ」というカテゴリーを作ってもいいんだけど。
最近、俺の中でサステナビリティが熱い。と言っても、悲しいかな、仕事に追われて、サステナビリティについてじっくり研究したりしているわけではないんだけど。ただ、考える足しになるかな、と思って、阪大のサステイナビリティ・サイエンス研究機構の国際シンポジウム(Strategy to Achieve a Sustainable Closed-loop Economy in Asia)に行ってきました。以下はシンポを聴いての感想。
持続可能な社会にするための対策/シナリオを考えるには、まず持続可能な社会を定義しないとならないのではないか? 1980年代後半にBrundtland委員会(「環境と開発に関する世界委員会」)で「持続可能な開発」の概念が打ち出されたが、それ以降、広く認識されるような学術的な定義はなされていない。
阪大のシンポを聴いて、持続可能な社会の定義を、世界で広く認識されるように定義づけるのは困難ではないか、と考えるようになった。シンポに限らずサステナビリティに関する議論では、途上国の問題は地球温暖化や資源枯渇などの環境容量ではなく、貧困(経済発展)や汚職(公平)にある、という声が聞かれる(ちなみに、シンポでは、それぞれの発表者が持続可能性をどのように考えるかという話は一切なかった。非常に残念だ)。確かに人々が飢え死にする世界はとても持続可能とはいえない。しかし、一方で、地球全体からは環境容量を無視して持続可能性はありえない。両者の持続可能性はそもそも対象が異なるものであり、これらをひっくるめてすべてを解決するような持続可能性をいきなり導き出すのはきわめて困難ではなかろうか。政治の場では仕方がないかも知れないが、学問の場では、それぞれを切り分けて、まずは個別に解決策を見いだすべきであると思う。残念ながら、東大を中心に組織されたサステナビリティ学はアジア(貧困問題を抱える途上国が多く含まれる)との連携を強く打ち出しているため、今後も持続可能性が曖昧なまま研究が進められていくような感じがする。
先進国に住み、今まで環境問題を対象に研究を進めてきた自分にとっては、環境容量に関する議論に興味がある。これまで持続可能性に関してはHerman Dalyの3原則やエコロジカル・フットプリントなどの定義付けがなされてきたが、地域レベルで合わせて具体的なシナリオを検討した研究例はないように見受けられる。自分はそれを研究したいと考える。
(Last update: 2006/12/28 01:26:10)
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