ガイアの復讐 (その1)
James Lovelock. ガイアの復讐. 中央公論新社, 秋元勇巳監修, 竹村健一訳, 2006.
ISBN 4120037746 (Amazon)
……「監修」って何だ?、訳書の「監修」って。「監訳」じゃないのか?
それはさておき。
シムアース(Sim Earth)というコンピュータゲームをご存じだろうか?
シムシティ(Sim City)が都市を育てるゲームであるのに対し、シムアースは地球を育てるゲーム。ちなみに、本家はPC版だが、昔、イマジニアからスーパーファミコン版が発売されたことがある。俺はシムシティがすごく好きで、このシムアースにも興味を持っていたけど、残念ながら、やらずじまいだった。都市が育つように、地球って育つの?、って疑問を持つかも知れないけど、このシムアースは、地球を1つの生命体として考える「ガイア理論」に基づいたからこそ、地球を育てるようなゲームにできたらしい。
……「ガイア理論」って何? SLG好きかつ環境問題好きの俺は、それ以来、ずっと「ガイア理論」が気になっていたけれども、今日に至るまで、ずっと「ガイア理論」とは何か?を書いた本を読むことがなかった。
でも、先日どこかで読んだ書評(確か日経エコロジーか日経新聞の書評)で「ガイアの復讐」が載っていて、興味深そうに見えた。ということで、都内出張の折りに早速購入。
ガイアとは何だろうか? 多分、俺を含め、ガイア理論を知らずに初めてこの本を読む人は、皆、気になっていることだろう。本書の序文に早速書かれている。
ガイアとは誰か。何者なのか。その正体は、地球の高温の内部と、それをとりまく上空の大気との間にある陸と海の薄い球状の殻だ。そこには四十億年以上も生物が存在し、互いに影響し合っている。そしてそれぞれが互いに絶え間なく影響を与える様子は「ガイア」という名にふさわしい。
……らしい。だからと言って、これだけ読んでも、地球を1つの生命体とみなす必要はないような気がする。
でも、考えてみれば、人体についてもガイア理論と同じことがいえる。昔、大学の講義で聴いた話だけれども、ある生物学者は、人体を「ミクロコズム」と見なすことができると提唱したらしい。人体の中では、バクテリアや寄生動物やらが共生し合って生きている。あるときは争って。あるときは協力して。彼らの支えのもとに人体は構成されている。人間はふだんそんなことを意識もしないけど(ちなみに、本書によると、ミクロコズムという概念を唱えたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチにまで遡るらしい。ただ、彼は人体の内部を知らなかった、とのこと)。
とすると、これと同じことが地球でも言えるのではないか、と思う。海と陸からなる地球の表層面上にいる生物が共生し合って、地球は構成されているのではないか、と。バクテリアや寄生動物やらが人体を意識しないように、人間を始めとする動植物も地球を意識しない。でも、人体が生きているように、地球もまた生きているのではないか。
そうか、ガイアって、そういうことだったのか。と、今日初めて分かった次第(あくまでも、序文までしか読んでいない俺の理解だけど)。
もしかしたら、人体のガン細胞のように、人間は地球のガン細胞なのかもしれない。産業革命以降、急激に数を増やして、宿主に被害を与えているし。他の生物と共生しようとしないし。ううむ。
とりあえず、まだ序文までしか読んでいないので、最後まで読んだらまたブログにまとめようと思う。続きが楽しみな一冊。
2007/01/22 01:11:14
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シムアース、確かにそんな名前のゲームもあった気が。スーファミのシムシリーズは任天堂が作ったシムシティが一番じゃないかな…
でも、個人的にはナガエ理論に基づいたシムナガエとか作ってみたら面白いんじゃないかな?
まあ、シムナガエは土日でも仕事しかしない生き物なのでゲームにならないかも知れませんが。
シムシリーズは、シムシティの後、シムアース、シムアントが出たかな? その後で、シムシティの続編とシムピープルと。他にも何か出たかも知れないけど。
ウィル・ライト自身は処女作のバンゲリングベイがまさにそうであるように、都市計画に興味があるみたいなので、確かにシムシティシリーズが一番だろうね。それとシムピープルと。シムアースとかシムアントとかは彼にとって亜流の作品だと思う。
シムナガエ、ですか……。俺はそんなにワーカホリックではないんだけどな。そもそも、そういうのは、シムピープルの中で実現可能だったりしない?
いや、ここで言っていたのはPC版のシムシティはゲームと見ると結構ショボく感じるところとか多々あって、スーファミに移植する際に任天堂が手直しして発表した時に色々な要素を組み合わせて子供でも遊べるように配慮しているあたり素直に任天堂はすごいな、と思いまして。そういう意味でスーファミ版のシムシティなのです。
昔、SFC出たての頃にアメリカのゲームは70~80%ぐらいの完成度で荒っぽいけど斬新なタイプで、日本のゲームは完成度を限りなく100%にしようとするってなんかのTVで紹介していた気がする。まだまだ任天堂がN64のような悪魔的な商売をする以前の頃のお話です。結局SFC→N64とかSS→DCとかPS→PS2への進化でそんな日本的な突き詰め方は開発期間の延長と人件費の高騰を招き破綻してしまう訳ですが。
ちなみにNGEさんがワーカホリックではなくて、仕事することがNGEさんであり、24時間仕事人間、というか仕事する機械って言っちゃあなんだけど24時間仕事し続ける機械ってのがNGEさんというか、NGEさん=仕事機械ではないのかなと。
確かにスーファミのシムシティは面白かったよね。単なる移植にとどまらず、いろんな遊びがあって。懐かしいな。