持続可能性を評価する数値モデル
持続可能性を評価するためには、どういった数値モデルが必要だろうか?
たとえば、地球温暖化を予測するためにさまざまなシミュレーションモデルが開発されている。IPCCでそのうちのいくつかのモデルによる複数の結果を取り出して地球温暖化を議論している。この種のモデルでは、人口と基本ケースのGDPを入力条件として与え、そして、最終エネルギー需要を計算、さらに環境影響や資源消費を算出するようになっている。複数のモデルで大きく計算結果が乖離しないことから、モデルの信頼性はそれなりに高いと考えられる。しかし、一方で、環境影響や資源減少によって人口が減少することまで考慮できない。なぜならば、将来にわたって人口は入力データであって計算するものではないから。
持続可能性はどのように定義されるべきか。いろんな定義があると思うが、人類が生存し続けることは最低の条件ではないだろうか。人類が生存できるかどうかを評価するためには、人口をも計算結果としなければならない。World 3のようなシステムダイナミクスのモデルならば、人口が増えて、エネルギー需要が増えて、環境影響が増大して、その影響で人口が時間遅れで減ったりすることを評価できる。
確かに今の特化した問題(地球温暖化とか資源枯渇とか、あるいは経済とか)に対しては、今流行の数値シミュレーションモデルは有効だと思う。しかし、これからは地球温暖化のみならず、持続可能性についても議論しようという風潮が出てきている。しかしながら、それに対して有効な政策を提示できるようなモデルはまだあまり開発されていないのではないか、って思った。もちろん、World 3などはあるけれども、World 3の場合、結果は定性的に捉えるものであってて、定量的には捉えて欲しくない、と開発者であるMeadows自身が言っている。計算結果を定量的に解釈できるモデル(結果から、温室効果ガス6%減にしよう、と政策を立てるとか)ではない。
と簡単に自分用にメモ。モデリングの専門家では全然ないので、もし上記が間違っていたら遠慮なくつっこんでいただけると幸いです。
2007/04/18 23:36:25
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